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世界制作のプロトタイプ


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2020年の東京オリンピック開催に向けて、WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)を背景に、「SNS」「グラフィックデザイン」「ファッション」「音楽」「現代思想」の5つのテーマから前半戦を総決算するグループ展「世界制作のプロトタイプ」を、2015年4月18日から4月29日の期間、日暮里・higure17-15casで開催します。

「世界制作のプロトタイプ」は、「Reconstructionism(再構築主義)」を活動テーマに掲げるキュレーター・上妻世海が、昨年8月に開催した日本初の「インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」をテーマにした展示として話題を集め、1,500人を集客した「≋wave≋ internet image browsing」に続いて手がける展示であり、上妻が本展にあたって執筆した2万字の論考「世界制作のプロトタイプによせて」に基づき作家を選出。

出展作家は、梅ラボ(KazukiUmezawa)、Kazami Suzuki、GraphersRock、50civl、千房けん輔(exonemo)、田中良治(Semitransparent Design)、chimpanzee (KINESYSTEM)、TOKIYA SAKBA、Nukeme、Hachi (BALMUNG)、LLLL、HouxoQue、borutanext5、mus.hiba、と2015年現在を象徴するアーティスト14名が並びます。

本展のタイトルにある「世界制作のプロトタイプ」は、アメリカ現代哲学の最重要著作といわれるネルソン・グッドマンの『世界制作の方法』および現在、世界で最も注目されている哲学者・美学者のひとりエリー・デューリングの『プロトタイプ』に由来しており、本展のコンセプトについて上妻は、次のように語ります。

「伝統あるいは合理性という信仰によって構造化された社会から一旦離れて、常識や合理性とは別の形の世界の複数性を見出すこと。そして、その複数性を肯定することからも離れて、社会という誰にでも操作できる素材たちの可能性を探ることで、各々の世界を再構築したいと考えています」

また、「世界制作のプロトタイプ」は、作家のSNS上の会話をウェブサイトで公開していくなど、近年、アート・ワールドにおいて重要なキーワードである「リレーショナル(関係性)とコンティンジェンシー(偶有性)」の問題を内包させ、現在進行形のさまざまな表現を結集させことで、変わりはじめている日本のアート・ワールドの輪郭を引き直し、2020年に向けてインターネット以降の東京を再構築することを目的としています。

日程:2015年4月18日(土)〜29日(日)
時間 : 13:00〜20:00(4月18日(土)はオープニングパーティのため18:00〜22:00)
出展者 : 宇川直宏(DOMMUNE)、梅ラボ(KazukiUmezawa)、Kazami Suzuki、GraphersRock、50civl、千房けん輔 (exonemo)、田中良治 (Semitransparent Design)、chimpanzee (KINESYSTEM)、TOKIYA SAKBA、Nukeme、Hachi (BALMUNG)、LLLL、HouxoQue、borutanext5、mus.hiba
会場:HIGURE 17-15 cas(東京都荒川区西日暮里3-17-15)地図はこちら
キュレーター : 上妻世海
テクニカルディレクター : 高田優希 / ayafuji
協力:HIGURE 17 15 cas、西田篤史 (一般社団法人PLATOTYPE)
メディアパートナー : DOMMUNE
特設サイト:http://prototypes-of-worldmaking.com/

【イベント情報】
・オープニングパーティー
2015年4月18日(土)18:00〜20:00



世界制作のプロトタイプに寄せて(pdf)




宇川直宏(DOMMUNE)
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1968年香川県生まれ。映像作家/グラフィックデザイナー/VJ/文筆家/京都造形芸術大学教授/そして現“在”美術家など、幅広く極めて多岐に渡る活動を行う全方位的アーティスト。既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、現在の日本にあって最も自由な表現活動を行っている自称「MEDIA THERAPIST」。2010年3月に突如、個人で立ち上げたライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」は、開局と同時に記録的なビューアー数を叩き出し、国内外で話題を呼び続ける“文化庁メディア芸術祭推薦作品”。現在、宇川の職業欄は「DOMMUNE」。 http://www.dommune.com/



梅ラボ(KazukiUmezawa)
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1985年生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。美術家。インターネット上に散らばる画像を集め再構築し、圧倒的な情報量に対峙するときの感覚をカオス的な画面で表現する作品を制作し、発表している。CASHI及びカオス*ラウンジに所属。主な展示に「Empty god CORE」(2014年 B2OA gallery)、 「LOVE展:アートにみる愛のかたち」(2013年 森美術館)、「特別展手塚治虫×石ノ森章太郎マンガのちから」(2013年東京都現代美術館)、「大地と水と無主物コア」(2012年 CASHI)、「カオス*ラウンジ2010 in 日比谷」(2010年高橋コレクション日比谷)、等。 http://umelabo.info/



Kazami Suzuki
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男性の視線を意識した少女象をテーマとしたイラストレーションを描いている。ロリコンは社会から逸脱した、不健康、現代人の精神病理と認知されがちだが、かわいいエロは現代日本的美意識であり普遍的なもののはずである。そのフェティシズムを肯定することを目的に、性欲・性癖を可視化し、ポップに表現して提示する。主な展示に、「第三回退廃芸術展」(2012年多摩美術大学芸術祭)、「第四回退廃芸術展・思春期」(2013年前衛派珈琲所マッチングモヲル)、「ぴんくなゆううつ♡展」(2015年 marienkafer)、等。 http://yohuka.tumblr.com/



GraphersRock
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サイバーパンク、テクノカルチャーをベースにグラフィックワークを展開。サイバーパンクの影響を受けた機械・インターネット的なグラフィックが圧倒的な支持を集めている。Maltine Recordsのキャラクターやロゴ、ジャケットを始め、でんぱ組.incの夢眠ねむとのコラボレーション作品、tofubeats、私立恵比寿中学、Kis-My-Ft2のジャケットデザインなど、メジャー、インディーズを問わず多岐に渡るCDジャケットやアパレルデザイン、広告媒体等、様々なメディアで作品を制作している。 http://www.graphersrock.com/



50civl
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会社員。2005年頃よりコラージュの制作を開始。2014年に「IDEA」誌366号「ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」に自身がグラフィックとして参加しているバンド「§†§」名義にて作品を掲載。同年8月に、阿佐ヶ谷TAV GALLERYにて開催された、上妻世海キュレーションによるグループ展「≋wave≋ internet image browsing」に参加。作品9点のほか、ファッションブランド「BALMUNG」のデザイナー「Hachi」との共作による衣装を3点展示。活動名義と同名のアパレルブランド「50civl」としてもTシャツやバッグなどを数点発表している。https://twitter.com/50civl



千房けん輔(exonemo)
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1996年より赤岩やえとアートユニット「エキソニモ」をスタート。インターネット発の実験的な作品群を多数発表し、ネット上や国内外の展覧会・フェスで活動。テクノロジーによって激変する「現実」に根ざしたコンセプトから繰り出される、独自/革新/アクロバティックな表現において定評がある。またネット系広告キャンペーンの企画やディレクション、イベントのプロデュースや展覧会の企画、執筆業など、メディアを取り巻く様々な領域で活動している。アルス・エレクトロニカ/カンヌ広告賞/文化庁メディア芸術祭など異なる領域の国際コンペで大賞を受賞。IDPW正会員。 http://exonemo.com/



田中良治 (Semitransparent Design)
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ウェブデザイナー/株式会社セミトランスペアレント・デザイン代表取締役。1975年三重県生まれ。同志社大学工学部/岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。2008年に時間と書体をテーマにした「tFont」を発表。ICC、YCAM、G8、ポンピドゥーセンターなどで展示される。2011年に は21_21 design sightにて田中一光氏のためのインスタレーションを制作。2014年にはG8にて「光るグラフィック展」の企画、gggにて「セミトランスペアレント・デザイン退屈」展など、デジタルメディアを中心に活動を行っている。http://www.semitransparentdesign.com/



chimpanzee (KINESYSTEM)
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都内在住のグラフィックデザイナー、VJ。ロゴデザインやグラフィックデザインを手掛ける傍ら、2014年よりVJKINESYSTEMとして都内のクラブを中心に活動中。https://twitter.com/communiteenage



TOKIYA SAKBA
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イラストレーター。2007年にフルカラーコミック誌『robot9』(ワニマガジン社)に掲載されたマンガ『マホマ法』で商業デビュー。2012年にデジタルイラストレーベル「sKILLupper.NET」を立ち上げ、フリーのイラストレーターとして本格的な活動を開始する。主な仕事に「ポケモンカードゲーム」「LORD of VERMILION」といったトレーディングカードゲームへのイラスト提供や、『138‹E』(ワニマガジン)で連載中のイラストノベル『アストラルメールズ』のキャラクターデザイン・挿絵などがある。http://www.abukas.com/



Nukeme
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1986年生まれ、東京在住。洋服を根本的なメディアでありコミュニケーションツールであると捉え、洋服を支持体とした作品を主に制作する。他分野の作家との共同制作による作品が多い。2011年に”グリッチ(デジタルデータにおける小さなエラー)”を作品化する手法を取り入れてからは、コンピュータ自体も共同制作可能な他者であると捉えるようになり、デジタルツールを使用した作品も積極的に制作している。近年は、インターネット登場以前からある古典的な制作手法と、インターネット普及以降の感性や認識を繋げることを作品の主題としている。主な受賞歴に「第16回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品」(2012年)「YouFab最終選考選出」(2014年)などがある。http://nukeme.nu/



Hachi (BALMUNG)
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1985年生まれ、BALMUNGファッションデザイナー。「東京」というコンセプトをファンタジーとして解釈し様々なカルチャーをミックスする。日本のアイドル"バンドじゃないもん!"や"LADY GAGA"の衣装からNYアーティスト"TERENCE KOH"の衣装を手がけるなどそのクリエイションのフィールドは幅広い。また他には雑誌"ケトル"での連載やファッション批評本"vanitas"に寄稿するなど。http://www.balmung.jp



HouxoQue
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東京を拠点に活動する画家。10代でグラフィティと出会い、壁画中心の制作活動を始める。ライブペイント主体のショウケース"HUOVA"のプロデュースやギャラリー"REAN"のキュレーションなど、その活動は多彩。ブラックライトを使ったインスタレーション作品「day and night」は『BRUTUS』や『+81』、『rtr』などのメディアで紹介され反響を呼んだ。http://quehouxo.com



LLLL
東京を拠点に活動するアーティスト。親密であり空気の様な存在のポップと思案的なダウンテンポのビートの合間に奏でられる、意味ありげで繊細でありつつも芯のある力強い音を作り出している。2012年から、「LLLL」「Spider Web/Drafting Still」「Mirror」の3つの自主制作EPをリリースし、The Fader、No Fear of PopやTiny Mix tapeなどで絶賛された。彼らの1stアルバムはアメリカのZOOM LENSから2014年にリリースされ、2015年 の1月には昨今世界で大きな注目を集めているイタリアのオンラインレーベル Bad PandaRecordsより2ndアルバム『Faithful』の先行シングル「Transcribe feat. Meghan Riley」をリリースしている。また昨今では恵比寿リキッドルームで開催されているエレクトロニック・ミュージックの祭典 EMAF TOKYO 2014やソーシャルTV局2.5Dをはじめライブアクトとしても活躍中。そして2015年3月、満を持して2ndアルバムをPROGRESSIVE FOrMとZoon Lensよりリースする。https://soundcloud.com/lllltokyo



borutanext5
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1992ねん11がつうまれhttp://borutanext5.com/



mus.hiba
標準的なポップミュージック不安と暖かい両方描かれているシーンの障壁を超越ボーカロイドの利用。2014年に分解系レコーズからEP「Lycoris」、nobleからフルアルバム「White Girl」をリリース。http://mus-hiba.tumblr.com/



上妻世海 (本展キュレーター)
1989年生まれ。キュレーター / 作家。歴史的に規定された制度が機能しなくなり、全てのメディウムがデジタルに還元されながら拡散する情報社会の中で、それらを単独的な形で再構築することをテーマに東京を中心に活動している。主な活動に、「六本木クロッシング2013展 : アウト・オブ・ダウト」 (2013年 森美術館) 関連プログラム「現在のアート」にて集団性と生成の原理について関係性という視点から論じた「集団と生成の美学」を発表。2010年代に起こった言語圏に縛られたインターネットから画像の制作を媒介にしたヴィジュアルコミュニケーションをテーマとした「≋wave≋ internet image browsing」(2014年 TAV GALLERY) キュレーション。関連企画として黒瀬陽平氏との公開対談「POST-INTERNET IMAGE BROWSING – 自閉と横断の二つの側面から情報社会における創造性を考える」出演などがある。https://twitter.com/skkzm



高田優希 / ayafuji (本展テクニカル・ディレクター)
「ヒトとヒト」、「ヒトとモノ」、「モノとモノ」のコミュニケーション。「関係性」をテーマに、イベントから日常生活まで幅広い領域でのデジタルメディアを使ったコミュニケーションデザインを行う。代表作として、建築とヒトの間の新しいコミュニケーションを提案する「House API Project( http://house-api-project.org/ )」、会場の盛り上がりを可視化しそれを演出として表現することで、演者と観客との関係性を捉え直した「LJ.io( http://works.ayafuji.com/post/92310892972/http-web-lj-ayafuji-com-2014-5-5-maltine )」がある。また、そのような経験から、現在はロボットのソフトウェアインターフェイスの開発にも携わっており、アーキテクチャからインターフェイスまでその活動領域は「コミュニケーション」を軸として多岐に渡る。 https://twitter.com/_ayafuji_



 


HIGURE 17-15 cas
東京都荒川区西日暮里3-17-15

【アクセス】
JR山手線/京成線/日暮里・舎人ライナー日暮里駅 北改札西口から徒歩6分
JR山手線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー西日暮里駅 西口から徒歩8分


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