天才ハイスクール!!!!×福住廉「限界とかねーし Limiter cutしてるし 展」
TRANS ARTS TOKYOでの展覧会が記憶に新しい、卯城竜太(Chim↑Pom)が講師を務める美学校の現代美術セミナー・天才ハイスクール!!!!の現役生・修了生と、「artscape」や「共同通信」に寄稿する一方、『今日の限界芸術』の著書や、ギャラリーマキで連続企画「21世紀の限界芸術論」をキュレーションした注目の美術批評家・福住廉氏がコラボレーションしてHIGUREに登場!!!!
日程: 2013年4月1日(月) - 4月10日(水)
時間: 13:00 - 20:00(最終日17時まで)
会場: HIGURE 17-15 cas(東京都荒川区西日暮里3-17-15)
《ギャラリーガイド》
4月6日(土)19:00〜
福住廉氏(美術評論家)、出展作家の天才ハイスクールと会場をまわりながら、展覧会や作品について話します。
また、展覧会期間中、下記スケジュールで作家が在廊しています。
1日(月)13:00~16:30 中村奈央、REDICAcrew(岡志憧)
16:30~20:00 志水佑、中村留津子
※19:00よりオープニングレセプション
2日(火)13:00~16:30 中村奈央、臼田知菜美
16:30~20:00 REDICAcrew(岡志憧)、ケムシのごとし
3日(水)13:00~16:30 キュンチョメ、臼田知菜美
16:30~20:00 キュンチョメ
4日(木)13:00~16:30 石井陽平、REDICAcrew(岡志憧)
16:30~20:00 涌井智仁、堅田好太郎
5日(金)13:00~16:30 志水佑、大島嘉仁
16:30~20:00 ケムシのごとし、大島嘉仁
6日(土)13:00~16:30 西村健太、宮嵜浩
16:30~20:00 石井陽平、大島嘉仁
※19:00よりイベント開催
7日(日)13:00~16:30 西村健太、臼田知菜美
16:30~20:00 宮嵜浩、キュンチョメ
8日(月)13:00~16:30 中村留津子、中村奈央
16:30~20:00 中村留津子、キュンチョメ
9日(火)13:00~16:30 涌井智仁、志水佑
16:30~20:00 涌井智仁、キュンチョメ
10日(水)13:00~17:00 ケムシのごとし、堅田好太郎
※最終日17:00まで
今回ゲスト・キュレーターとして参加させてもらう美術評論家の福住廉です。なぜ僕が招かれたかというと、昨年まで高円寺の素人の乱12号店で定期的に催されてきた「天才ハイスクール!!!!」の個展を継続的に見てきたからであり、なぜ僕が参加することを決めたかというと、「天ハイ」であれば、きっとおもしろい展覧会をつくることが期待できたからです。この文章を書いている時点で展覧会はまだ始まっていませんが、未知の可能性を眼前にした高揚感は少しもぶれていません。
もちろん、準備のための時間はあまりにも少なく、僕にできることは限られていました。打ち合わせにできるだけ参加して、アーティストの作品プランや展示計画に言葉で反応すること。アーティストが投げてくるボールを受け止め、こちらの投げ方で投げ返す。そのうちの何個かのボールは再びこちらに投げられる。そういう言葉のやりとりのなかから、(僕がではなく)アーティスト自身が作品のクオリティーや展示のアイデアを練り上げていく。ゲスト・キュレーターというと、なんだか偉そうですが、ようするにやったのはそういうことです。
はたしてどんな作品が発表されるのか、それは蓋を開けてみなければわかりません。けれども、まちがいなく言えるのは、彼ら若いアーティストの作品は、いずれも一見すると荒削りですが、一つひとつをていねいに見てみると、繊細な感性や真摯な社会批判、得体の知れないエネルギー、貴いバカバカしさを内側に抱えていることが実感できるにちがいないということです。もしかしたら、彼らのなかからポストChim↑Pomが生まれるのかもしれないし、あるいは逆に、きれいさっぱり玉砕するのかもしれない。今回の展覧会は、参加アーティストにとっても、僕にとっても、言ってみれば、ある種の賭けです。しかし時代と同伴しうる展覧会とは、そもそもそういう身を賭けた賭博行為だったはずです。
制作が大詰めを迎えた頃、緊張感を伴った打ち合わせのさなかにこんなことがありました。あるアーティストが作品の構想についてたどたどしくプレゼンするなかで、言葉に詰まった挙句、思わず「これが僕の限界です!」と口走ったのです。その場にいたみんなが「え、それ言っていいの?」と一瞬呆気にとられてしまいましたが、こういうところに「天ハイ」の魅力が凝縮しているような気がしました。緊張と弛緩、ないしは爆発力と求心力。もっと平たく言えば、バカと天才。双方が矛盾することなく併存してしまう不思議な空気感。これは、簡単なようで、なかなか得がたい特質だと思います。
今回の展覧会は、真面目なアートを望む人にとっても、不真面目なアートを楽しみたい人にとっても、きっとおもしろい展覧会になるにちがいありません。会期が短いので、お早めにご覧になることをおすすめします。会期中は、必ずアーティストの誰かが在廊していますので、ぜひ会話も楽しんでください。
福住廉
※ 左から、キュンチョメ「ドキュン☆芳名帳」2012、涌井智仁「かぞくの歌〜再生のremix〜」2012、西村健太「NOW LOADING…」2012
HIGURE 17-15 cas
東京都荒川区西日暮里3-17-15
【アクセス】
・JR山手線/京成線/日暮里・舎人ライナー日暮里駅 北改札西口から徒歩6分
・JR山手線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー西日暮里駅 西口から徒歩8分
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